タイトルは「転職の思考法」であるが、転職の意思に関わらず、すべての人にとって「キャリア形成」という人生の最も難しい問いの一つに対する視座を与えてくれる。
終身雇用制という幻想が崩れ去ったなかで、キャリアをどうすべきか迷っているビジネスマンは多いと思う。
もし、明確にやりたいこと・得意なことがあればキャリアに悩むことはないかもしれない。
しかし、多くの普通の人にとって「やりたいこと」と「食べていくこと」は必ずしも一致しない。
本書は、そうした普通の人にとって、「どういうキャリアの判断軸を持つべきか」を教えてくれる。
【ポイント】
・転職市場でのマーケットバリューを把握する
・伸びていく産業を理解する
・新卒で入るべき会社と、中途で入るべき会社は異なる
・転職エージェントのビジネスモデルを理解する
物語形式でありながら、コンサルタント出身者の文章らしく、非常に良く構造化されて書かれている。
また、現在は人材メディア事業に携わる筆者ならではの、転職エージェントの選び方や、転職先判断のポイントは目から鱗であった。
目次
プロローグ:
第1章 仕事の「寿命」が切れる前に、伸びる市場に身を晒せ
第2章 「転職は悪」は、努力を放棄した者の言い訳にすぎない
第3章 あなたがいなくなっても、確実に会社は回る
第4章 仕事はいつから「楽しくないもの」になったのだろうか?
書評一覧:目次
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