学生インターン時代に、企業の価値がどのように決まるか、その計算プロセスを学ぶことができる入門書。タイトルはMBAバリュエーションとあるが、ある程度財務の知識があれば十分に読み進めることができる入門書。
新聞では毎日のようにM&Aの記事が踊り、「~億円で買収」という記載がなされる。
企業の値段がどのように決まるのか、実務者でなくてもわかるように解説されている。
PERと割引率、企業価値と時価総額、EVとEBITDAという、投資の意思決定をする上で重要な本質的概念について、決して難解な数式を使うことなく説明してくれる。
株主にとっての価値である「企業価値」は、他のステークホルダーにとっての利用価値ではないという出発点から、企業価値とそれを支える無形資産の価値について示唆を与えてくれる。
全てのビジネスマンがエクセルでモデリングを作成できる必要はない。そんな事は、アドバイザーを利用すれば、それだけを行っているような専門家が対応してくれる。
ビジネスマンとして最低限理解しておくべき基本的な事項は十分に網羅されており、ここまで簡単に重要なバリュエーションのエッセンスを説明することができるのかと、筆者の文章力・構成力には舌を巻いた。
この本を読むことで、自分の勤務先や競業企業の投資家からの評価や、日々のM&Aのニュースがより深く理解することができるようになる。
目次
基礎編 道具の理解-経営のグローバル共通言語(企業価値という共通語)
企業価値を決める要因
会社の値段と企業価値の違い
実務応用編 株価算定とM&Aの実務
会社の値決めの実際1‐市場による評価
会社の値決めの実際2‐会社を買収する場合
M&Aによる価値創造のしかけ
M&A現場の実況中継-A社を買収せよ
「良い」M&Aと会社経営
目次:MBA関連書籍
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