本書は機械メーカーの工場長を中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスをテーマにした小説である。
この本がアメリカでヒットしてから17年間が経過するまで、日本のビジネスマンがこの本を読むことで競争力を高めることを筆者が恐れて、日本語への翻訳がなされなかったと言われる「幻の名著」である。
『ザ・ゴール』は主人公が恩師の助言をもとに工場を建て直すというストーリーを通じて、「効率化」という言葉や「数字」の裏に隠された様々な問題を明らかにしていく。
正直、私もこの本を読むまで、主人公と同じような勘違いをしていた。
製造現場の生産管理手法であるTOC(制約条件の理論, Theory of Constraints)によると、企業はスループット(生産量)を増やし、在庫と業務費用を減らすことが必要となる。
そのためには、全体のなかでのボトルネックを見つけ出し、そのボトルネックのアウトプットを最大限高めると共に、ボトルネック以外の工程においてはボトルネックより速くモノを生産しないように抑え、バッファーを置いておくことが必要となる。
企業の最終目標(ゴール)は何か、それを達成するためにTOCをどのように活用すべきか、また、現場ではどのような誤った認識に陥ってしまいやすいのかを、『ザ・ゴール』は教えてくれる。
目次
I 突然の閉鎖通告
II 恩師との邂逅
III 亀裂
IV ハイキング
V ハービーを探せ
VI つかの間の祝杯
VII 報告書
VIII 新たな尺度
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