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執筆者の写真Gary Tanaka

MBAファイナンス㊿:資本コスト

更新日:2021年4月9日


これから数回の記事にて、企業が投資家から資本を調達する際に支払うコストについて説明します。


まずは、基本的な用語の説明からです。



前回までの記事の復習ですが、資本コストを別の側面から見てみましょう。


※リスクフリーレートは米財務省短期証券や日本国債のように、投資家がリスクを一切負うことない投資によって得られるリターンです


資本コストは下記のプロセスで求めることができます。

  • 資本コストはリスクフリーレートに、リスクプレミアムを加算することで求めることができる。

  • これは負債コストと株主資本コストいずれにも当てはまる。

  • リスクが高くなればなるほど、資本コストは高くなる。


資本コストを考える際に覚えなければいけない重要な原則は、「株式への投資は、社債や債券への投資よりもリスクが大きい」ということです。


例えば、会社が倒産しで残った財産を分配する時、債権者は株主に優先します。また、日本で企業が配当するとき、会社法により 剰余金の金額による制限がなされます(負債の返済にはそのような制約はありません。)

つまり、株主は債権者よりもリスクの大きい地位にあり、債権者よりも高いリターンを要求するということになります。


この点は、株主などの投資家にとっては当然のことなのですが、必ずしもその会社の株式を保有しない経営者にとっては自明のことではありません。企業のファイナンスを立場にある経営者は、「株主は非常に高いリターンを要求する存在である」ということを肝に銘じておかなければいけません。


そして、企業の資本コストは、株主資本コストと税引後負債コストの加重平均によって計算されます。

株主資本コスト、税引後負債コスト、資本コストの関係性は下記のようになります。

次回の記事では、株主資本コストの詳細について説明します。


次の記事:第51回

前の記事:第49回


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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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